初心者のあなたはバーベルを持ち上げる時ばかりに集中して、下ろす時にスッと力を抜いていませんか⁇
筋トレの動作で重りを持ち上げる動作はポジティブ動作、重りを下ろす動作はネガティブ動作といいます。
もちろんポジティブ動作は大事ですが、下ろす時に力を抜いて、負荷を抜いてしまうのは非常にもったいないことです。
ネガティブ動作にも意識を向けてあげることで、筋肥大や筋力増強の効果が飛躍的にアップします!
今回の記事では、ネガティブ動作に意識を向けられていなかったあなたに向けて、ネガティブトレーニングの有効性といくつかのテクニックを伝授します!
- 筋トレ初心者の方
- 筋肉を効率よく大きくしたい
- 筋肉がうまく発達しない
- 筋力を伸ばしたい
Contents
筋肉が力を出す3つの形
筋肉が力を出すには3つの形があります。
この3つ(特に前者2つ)は今後も筋トレ用語として、使われる単語なので頭の片隅に入れておいてください。
- コンセントリック
- エキセントリック
- アイソメトリック
コンセントリック
コンセントリックは、筋肉が収縮して、短くなりながら力を発揮していく形です。
ダンベルカールで肘を曲げてダンベルを持ち上げていく動作がこれです。
別名“ポジティブ”ともいいます。
エキセントリック
エキセントリックは、筋肉が伸ばされながら力を発揮していく形です。
ダンベルカールでいうと、肘を伸ばしながらダンベルを下ろしていく動作です。
別名”ネガティブ”ともいいます。
アイソメトリック
アイソメトリックは、筋肉が伸びも縮みもせずに長さが変わらない状態で力を発揮する形をいいます。
ダンベルカールでいうと、動作の途中で力を入れたまま静止した状態をいいます。
プランクはアイソメトリックな種目ですね。
ネガティブ動作は強い力を発揮する
あなたは、先に紹介した筋肉が力を発揮する3つの動作の中で、一番強い力を発揮する動作がどれかわかりますか?
正解はエキセントリック(ネガティブ)なんです。
詳しい説明は割愛しますが、筋肉の構造上、ネガティブ動作は強い力を発揮できるようになっています。
ネガティブは筋肥大、筋力増強に効果的
トレーニングにおいて重要なのは、ネガティヴは筋肥大、筋力増強に効果的だということです。
持ち上げる動作だけでなく、下ろす動作にも意識を向けることで、ムダのないトレーニングができ、筋肥大につながります。
そんなネガティブの重要性を知っているボディビルダーを見ると、下ろす動作でもしっかりとコントロールして下ろしていることに気づくはずです。
ネガティブは腱や骨を強くする
筋トレで腱や骨を強くすることはできないというのは、ひと昔前の常識でした。
それが今では筋トレ(特にネガティブトレーニングで)で、腱や靭帯が強化できるということが、多くの研究報告(※)としてあがっています。
わたしたち人間は、約60兆個の細胞からできており、それらの細胞は間をつなぐ接着剤のようなもので結びつき合っています。
この接着剤は細胞外マトリクスと呼ばれており、主成分はコラーゲンです。
この細胞外マトリクスのコラーゲン生成はネガティブ動作による刺激で強化されます。
このようにネガティヴトレーニングは、腱や靭帯を強化しケガ予防に役立ちますし、リハビリなどに取り入れることで、ケガからの回復を促進します。
(参考:
The Impact of Adding an Eccentric-Exercise Component to the Rehabilitation Program of Patients With Shoulder Impingement: A Critically Appraised Topic. J Sport Rehabil. 2016 May;25(2):195-201. doi: 10-1123/jsr.2014-0230. Epub 2014 Oct 30.Effects on neovascularisation behind the good results with eccentric training in chronic mid-portion Achilles tendinosis? Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc. 2004 Sep;12(5):465-70. Epub 2004 Apr 2.
Heavy-load eccentric calf muscle training for the treatment of chronic Achilles tendinosis. Am J Sports Med. 1998 May-Jun;26(3):360-6.
WHY ARE ECCENTRIC EXERCISES EFFECTIVE FOR ACHILLES TENDINOPATHY? Int J Sports Phys Ther. 2015 Aug;10(4):552-62.)
ネガティブトレーニングの4大テクニック
続いては、今日からやれるネガティブトレーニングのテクニックを4つ紹介します!
下ろすときはコントロールしてゆっくりと
初心者のあなたが意外におろそかにしているのが重りを下ろす動作です。
引っ張ったり、持ち上げたりするときばかりに力を込めて集中してしまっていませんか?
重りを下ろす動作にも意識を向けてあげると、筋肥大効果が爆上がりしますよ!
これは初心者のあなたにもすぐできるテクニックです。
ベンチプレスで下ろす時、ダンベルカールで下ろす時に「ゆっくり」と下ろす。ただそれだけです。
種目毎の可動域にもよりますが、3〜5秒くらいかけて、コントロールしながらゆっくりと下ろす。これだけで、普段よりも効いている感じ、パンプアップする感じが得られるはずです。
チーティングを使ってネガティブで追い込む
本記事の前半で説明したように、ネガティブはポジティブよりも1.2〜1.4倍強い力を発揮できます。
これは、ポジティブで力尽きても、ネガティブならもう数回行うことができるということなんです。
ポジティブで力尽きた時に、よく使われる「チーティング」というテクニックを紹介します。
ダンベルカールを行い、10回で力つきたところで、足や上半身の反動を使って(←これがチーティング)持ち上げる、下ろす時はゆっくりとコントロールしながら下ろす。
下ろす時に力を使ってコントロールできなくなるまで繰り返します。
これがチーティングを使って最後まで追い込む方法です。
補助者によるフォーストレップスで追い込む
合トレなどでパートナーがいる場合、チーティングの代わりにパートナーによるフォーストレップスを使って追い込むことができます。
フォーストレップスとは、自力で限界まで行った後に、補助者の手を借りて、もう数回動作を繰り返すテクニックです。
補助者と行うフォーストネガティブ
ネガティブでは、ポジティブに比べて高重量を扱うことができます。
この特性を利用して、補助者の手を借りて、ネガティブ動作の時だけ負荷をプラスしてもらう方法があります。
例えば、ベンチプレスのマックス値が100kgの人の場合、80kgでセットを組んでみます。
その際、持ち上げる時は自力で持ち上げ、下ろす動作の時は補助者に上からバーを軽くおさえてもらうのです。
おさえつけられたバーに抵抗しながら下ろしていくことで、普段よりも強い負荷をかけることができます。
1人ネガティブ
ほとんどの人は1人でトレーニングを行うと思います。
そんなあなたに、1人で行えるネガティブトレーニングのテクニックをお教えします。
マシンを使用したトレーニングの場合、両腕もしくは両足で持ち上げて、片腕、片足で下ろすといった方法もあります。
また、ディップスやチンニングなどの自重トレーニングでは、体を持ち上げられなくなったら、足でジャンプして持ち上がってしまい、下りる時はコントロールしながらゆっくり下りるという方法があります。
また、ダンベルカールでは、ストラップなどを利用することで、持ち上げる際は両手で持ち上げて、下ろす時は片手でコントロールしながら下ろすといったテクニックがあります。
このように色々工夫することでネガティブトレーニングは行えますので、ぜひ取り入れてみてください!
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